五感で恋する名画鑑賞術

五感で恋する名画鑑賞術

五感で恋する名画鑑賞術

再読した。良い本。美術を鑑賞する目が少し変ると思う。

美術に限らないが、日本の近代についてひとつ面白い指摘があったのでメモ

明治維新で文化芸術が激変、それまで愛していた歌舞伎や浮世絵の類がすべて正統の芸術ではないとみなされてしまった日本人は、ともかく見よう見まねで欧米の芸術を受け入れざるを得ない立場に追い込まれた。

時刻の伝統と完全に断ち切られた状態で、近代の芸術というものを出発せざるを得なかった日本の宿命というものは、今日なお私たちが芸術品と関わる時の姿勢と無縁ではないのだ。