Going metric

Going metricは、電気使用量メーターに関するイノベーションの記事。たいていの人は、電気メーターなんてありふれた機器について特段気にとめることは普段ないけれども、オンラインでメータ使用量を送信し集計管理できるようにすることで("Smart Meter")、コストセービングとカスタマーサービスとの2点において飛躍的な改善ができるようになる可能性があるそうだ。具体的には、


【コストセービング】
 使用量を計測するためにいちいち訪問巡回する必要がなくなる。
 需要の大きさに対応して、柔軟に料金レート(毎日、もしくは毎時間)を変更することにより、つまり需要が大きいときには高価格を適用することにより、需要量の変動を抑え、スペア発電キャパシティの必要量を小さくすることができる。
 チャージされる電力料金に対応して、自動的に調整されるエアコンだって実現可能かもしれない。


カスタマーサービス
 顧客からの問い合わせに対するレスポンスタイムの短縮につながる。停電などのトラブルの場合の対応もすばやくなる。


イタリアのEnelという会社がこの領域での先駆者だそうだ。


ラーニング:
何の変哲もなくてこれ以上イノベーションの余地がなさそうに思える分野でも、実はイノベーションは可能である。
新しいテクノロジーは、コストセービングだけでなく、カスタマーサービスの改善にも効果的であることが多い。つい目先のコストセービングだけに気をとられてしまいがちだが、長期的な競争優位につながるのは、じつはカスタマーサービスなど差別化要素なのだから、こちらも忘れてはいけない。


それにしても、テクノロジーが進化した場合の例に漏れず、本件の場合も、検針のための巡回訪問員みたいな単純労働はどんどん機械に置き換えられていくのだねぇ。これを逆手にとって、今現在存在する単純労働をどうやって自動化するかを突き詰めて考えていくと、イノベーションのseedsが見つかるのかもしれない。