ラット・レース
先日こんなことを書いて、決意も新たにしたわけだが、今読んでいる「組織の経済学」のP414の分析フレームワークに基づけば、必死に働くためのインセンティブが、仕事に就いた初めの頃に一番強く作用するのは当然らしい。2つ理由があって、ひとつは、最初のうちは労働者の実際の能力についての不確実性がもっとも大きく、したがって労働者が雇用主の認識に影響を与える最大の機会を得る時期だから。もうひとつの理由は、職場で働く残りの期間がもっとも長い時期であり、仕事上の能力を高めることによる利益が最大の価値をもつ時期だから。
自分が自分の自由意思で決めたつもりのことでも、実は経済学のフレームワークでかなりの程度冷徹に説明できてしまう。もちろん、このような視点のみで現実を認識することは、時に戯画的になってしまうことは認めるにしても、自分自身の意思決定を客観的に眺めることを助けるという意味で、このようなフレームワークはとても有用であると思う。それにとらわれすぎてはいけないが。
まだ読んでいる途中だが、良い本。
- 作者: ポール・ミルグロム,ジョン・ロバーツ,奥野正寛,伊藤秀史,今井晴雄,西村理,八木甫
- 出版社/メーカー: NTT出版
- 発売日: 1997/11/01
- メディア: 単行本
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